Photos by Red Bull Skate / Text by Nobuo Iseki


MADARS APSE

INTERVIEW 【日本語】









"Kento is a real G 24/7!!"

20250810

Photos by Red Bull Skate / text by Nobuo Iseki

来る8月12日、Red Bull Skate のドキュメンタリーシリーズ「Skate Tails」最新作が公開される。今回は Japanese super rat こと吉岡賢人を取り上げ日本を舞台に密着取材。これに先駆けてナビゲーターを務めるプロスケーター、Madars Apse (マダース・アプス)にインタビューを試みた。

---『Skate Tales』でケントを取り上げようと思ったのはなぜですか?


以前に大阪ダガーズや森田貴宏の回でも見せてきた、日本のスケートカルチャーをそのまま受け継ぐ存在だと感じたんだ。しかもKentoは、日本みたいな同調圧力の強い国でパンクロックの精神を体現している。それが一番のきっかけだね。

---あなたのスケートスタイルはとてもユニークで、ケントも同じく独特です。撮影中に何か共感やシンクロを感じましたか?


間違いなく感じたよ! 俺らはスケーターとしてはだいたい同世代だから、彼のトリックチョイスやスケートへの情熱にはめちゃくちゃ共感できた。人から評価されることを恐れず、型にはまらない発想で、笑いや人生を楽しむために全力を尽くす。その姿勢がマジで好きだね。自由になりたい、思い切り解放されたいっていう衝動、それが最高だよね。

In studio with JSR band.
In studio with JSR band.

---撮影中のハイライトや印象的な出来事はありましたか?


JSR(Japanese Super Rats)バンドと音楽スタジオで演奏して、指から血が出るまでギターを弾いたこと。床まで血だらけになって(笑)。マジで最高だった。ケントと仲間たちはとても礼儀正しく迎えてくれて、この旅で出会ったみんなに超感謝してるよ。Kento is a real G 24/7!

---あなたは森田貴宏の回からそう間を置かずに、また日本に戻ってきました。あなたの目から見て、日本のスケートシーンの“記録するべき魅力”は何でしょう?


歴史のあるシーンの強さと、その歴史をスケーター自身が理解していること。情熱的なスケーターも多くて“創造性”も“ヤバさ”も限界まで攻めている。コアな部分だけじゃなく全体としてもカラフルでユニークだし、みんな自分の技術をしっかり磨き上げてるよね。これはもう日本人のDNAが反映されてるとしか思えない。

One foot back smith 💪💪🚫
One foot back smith 💪💪🚫

---あなたはこれまで型破りなライフスタイルのスケーターを多く取材してきました。ケントのライフスタイルをどう表現しますか?


彼は一歩一歩、日々、旅ごと、プロジェクトごとに、自分ができる限り楽しめるように生きてる感じがする。夢と理想を追って、大都会の喧騒と、彼が暮らす海辺の町の落ち着きをうまくバランスさせてる。間違いなくスケートラットだけど、時にはコンクリートジャングルから抜け出して「禅」を求めることもある。宇宙と交信してるタイプだね。

---日本社会は規律や礼儀を重んじると言われますが、この10年で驚くほど多くの優れたスケーターが出てきています。その理由は何だと思いますか?


聞いたところでは、週末ごとにどこかでイベントや大会が行われてて、それらのコミュニティがレベルを引き上げているんじゃないかと思う。若い子が成長するための刺激が充分に有る環境なんだろうね。

日本のスケートカルチャーには、素晴らしいスケーターとか、世界中を旅する人、業界を支えていく人とか、いろんな先例があると思う。それが目の前にあるなら(子どもでも親でも)追いかけたくなるのは自然なことだ。もしかしたら、規律や礼儀を重んじる社会だからこそ、スケートがルールへの反抗手段となって、ルールの限界を越えて、未知を探検して、アナーキーや創造性にチャンスを与えてるのかもしれない。

俺はスケートボーディングっていうのは常識を覆して、日常から飛び出すことだと思う。人にインスピレーションを与えて、理想に向かって世界を変える力なんだって。

---『Skate Tales』はスケートだけでなく人生についても描いています。ケントと過ごして学んだ人生の教訓があったら教えてもらえますか?


パンクな反骨精神を持ちながらも社会の中でリスペクトを持って振る舞えるってことかな。時と場所を選べば、あくまでも上品なやり方で、それは可能なんだ。俺がこれまで会った誰よりも、Kento Yoshiokaが、そのバランスを体現してるよ。

---まだエピソードを見ていませんが、注目すべきポイントは?


俺もまだ見てないんだけど「ドリームセクション」があるって聞いてるよ。早く自分でも見たいし、皆んなにも見てもらいたい。俺は、この回のためにスケートボードを特別にカスタムした。“Wheel s on Fire”、注目してみて!

Madars on fire🔥🔥🔥
Madars on fire🔥🔥🔥

---最後に、日本の好きな食べ物と苦手なものがあったら教えてください。


ケントと素晴らしいレストランに行って、最高の刺身をいただいた。シェフのもてなしと、シェイク・ジュンジと一緒に飲んだ日本酒は忘れられないよ。苦手なもの?全く無いね!!! 日本での時間全てを楽しんだよ!
IIJIKAN EIENNI !!!(いい時間、永遠に!!!)だよね?

Madars and Kento Yoshioka , Evesen Office
Madars and Kento Yoshioka , Evesen Office

【Profile】
Madars Apse (マダース・アプス)
bourn in 1989, Latvia.
Pro skater, Skate Tales host.

sponsor:

Element
Red Bull
GoPro
OJs
Mosaic
Independent
Ashes
Paradox

DEAD POETS SOCIETY
by
HAZE PRODUCTION

Photos by Minoru Shuto

Photos by Minoru Shuto

Skate DVD “DEAD POETS SOCIETY”, released by Eigen Natori—aka HAZE PRODUCTION—is out now. Through his own words, we dive into this passion-driven homie video, built on his own unique connections. Photos by Minoru Shuto offer another layer of insight into the world he captured.

HAZE PRODUCTIONこと名執永絃(なとり・えいげん)によるスケートDVD『DEAD POETS SOCIETY』がリリース。彼独自のコネクションからなる渾身のホーミービデオについて自身の言葉と フォトグラファー Minoru Shuto による写真からその世界観を探る。

—First off, can you introduce yourself?


I’m Eigen Sakamoto, 22 years old, born in Setagaya, Tokyo. Skating’s been in my life since I was a kid, but I didn’t get serious until I was around 18. That’s also when I picked up a camera and started filming pretty much right away.

—How long have you been filming skateboarding? And what got you into it?


It’s been about five years since I started HAZE. I first picked up a camera to film my younger brother skating. That turned into filming local homies, which led to hitting the streets, and eventually linking up with people outside our zone. I started feeling how fun this whole thing could be. Around then, I met Ryuga and Eijou—both skaters my age—and filming them hit different. That’s when I decided to take this seriously and create something real.

—Any skate videos that had a big impact on you?


It’s hard to name just one, but Takahiro Morita’s videos were my first big influence. They showed me what was possible with skate videos—how expressive they could be. After that, I got deep into Japanese skate films like NIGHT PROWLER by Katsumi Minami, WORKING CLASS by KP TOKYO, and anything by TORIOTOKO. Recently, Yoridori Midori by Kiyo from Osaka really hit too.

Kaede Sato/ kickflip, Tokyo
Kaede Sato/ kickflip, Tokyo

What’s the story behind the name HAZE PRODUCTION?


Honestly, the origin’s kind of vague (laughs). I wanted to make it a “production” so it wouldn’t just be about videos—I could do other stuff too. The “HAZE” part comes from Jimi Hendrix’s Purple Haze. I tend to pull from Hendrix whenever I need a name for something. I get asked about it sometimes, but I usually dodge the question out of embarrassment (laughs).

—What’s behind the title DEAD POETS SOCIETY?


I sampled it from the movie title. Pretty much everything I make has a reference point—it’s part of the fun when people catch it. The Japanese title of the film translates to “Live for Today,” which really resonated with me.

Over the past 4–5 years filming, I’ve spent time with lots of skaters. Even though we’re skating and filming together, I noticed a lot of people weren’t really sure why they were doing it. Like, what’s the point of going through all this? That feeling’s not limited to skaters either—it’s a bigger thing in society. Everyone talks about the future, but nobody’s really living in the moment.

So the core message became: before worrying about tomorrow, try seizing today. The skaters with full parts in this video are the ones who’ve got that vision—whether they’re already out there battling on the world stage or still figuring things out.

And since it’s called DEAD POETS SOCIETY, there’s the idea of skate footage as poetry. A clip is like a poem—it happens, and it’s gone. Only the camera can preserve it. Putting together all these fleeting “poems” from the past into a video felt like making a poetry anthology.

Kyonosuke Yamashita/ backside crooks, Tokyo
Kyonosuke Yamashita/ backside crooks, Tokyo

—Tell us about the ZINE that comes with the DVD, and your connection with photographer Minoru Shuto.


Minoru Shuto ’s a year younger than me and was already putting out zines and taking dope photos before we even met. After a shoot in Yokohama, someone took me to a photo exhibition—it turned out to be his show. We talked, and I told him about what I was trying to make. That’s when I asked if he’d be down to collaborate.

—Why go with a DVD release instead of putting it online?


Because this is a poetry collection—a real work. I felt like it needed to exist physically. I don’t think online = bad, but I wanted people to feel the intention and commitment behind this. Good stuff won’t get buried online, sure, but I still think giving it a physical form, holding screenings, getting it in shops—that all gives the work real weight. That’s why I chose DVD.

—Any final words for the readers?


We’ve made something we’re proud to share. If you and your crew can grab even one copy, please check it out and feel the poems we left behind.We’ve still got a few more screenings lined up too—hope to see you there if you’re nearby!

Ryo Yamagata/ yank-in, Tokyo
Ryo Yamagata/ yank-in, Tokyo

—まずはエイゲンくん自身にについて、自己紹介をお願いします。


はい。出身は東京都世田谷で2002年生まれの22歳です。スケート歴は難しくて、小さい頃にスケボーには乗ったりはしてて、でもしっかり練習してるって訳ではなかったので、ガッツリ滑り出したのは18歳くらいからですね。フィルミングはガッツリ滑り出してけっこうすぐ始めました。

—スケートを撮影して何年くらいになりますか?そのきっかけなどがあれば教えてください。


HAZEを初めて今年で5年目?になると思います。カメラ持ったキッカケは弟のスケボーを撮ってあげるとこから始まって、そこからカメラを持ってるとローカルの色んな人撮ったりして、ストリートも行こうってなったときに、段々ローカルじゃない外のスケーターにも会うようになってきて、この動き凄く楽しいってなりました。そんなときに、同い年のスケーター、今回パートを持っているライガと、今回は出てないんですがエイジョウにあって撮影したときに、めっちゃくらって、そこから本気で作品を作ろうってなりました。

—好きなスケートビデオはありますか?


好きなビデオって難しいですね、影響を受けたのは森田貴宏さんの映像が最初ですね。スケートのビデオってこんなこと出来るんだって、こんな表現ができるのかって思いました。そこから日本のスケートビデオを沢山見るようになって、南克己さんの「NIGHT PROWLER」KP TOKYOの「WORKING CLASS」TORIOTOKOさんなんかは特にくらいました。最近だと大阪のキヨ君の「よりどりみどり」もめっちゃ良かったです。

 

—HAZE PRODUCTIONの名前の由来は?

 


由来としてはけっこう曖昧で笑。映像を始めるときに、それ以外にもいろいろやれたらいいなと思って、プロダクションって形にするのだけ決まってて、HAZEはジミ・ヘンドリックスの”Purple haze”からなんですけど、結構なにかしらアカウントなり名前を作らなきゃなときにジミヘンから取る節があって、そうなりました(笑)。たまに名前の由来を説明するんですけど恥ずかしくて誤魔化しちゃいますね(笑)。

Ryo Sejiri/ backside 50-50, Tokyo
Ryo Sejiri/ backside 50-50, Tokyo

 

—作品タイトルの由来とそれに込めた意味合いについて教えてください。

 


今回のタイトルは映画のタイトルから持ってきました。基本的に僕の作品はサンプリングなので、作ってるもの全てに元ネタがあって、分かる人いたらアツいなってラインを楽しんでます。映画の「DEAD POETS SOCIETY」は日本語タイトルだと「今を生きる」ってタイトルなんです。

4、5年撮影してて、いろんなスケーターと時間を共にしたなかで、スケボーしてフッテージを撮ってるのに、けっこう足が重かったり、そこに意味を見出してるスケーターって思ったより少なくて。皆んな何のためにこんな大変なことしてるの?って気持ちがここ最近強くて、それはスケーターだけじゃなくて世の中の人にも言えることで、将来のぼやけたイメージだけあって、そこに向かって走ってる人って少なくて、結局何をしてたらいいのかわからないみたいな。それって裏を返せば、今を大事に生きてないから先のことがわからなくて、だからまずは今日を摘むところから始めようってのがメインテーマですね。大きく名前の載ってるスケーターは、そこのビジョンがあって、世界に出て闘ってたり、まだ発展途上の中で模索してたりする人たちなので是非パートにしようって誘いました。

そこに付随したテーマとして、POETSなので詩なんですね。スケートのフッテージってポエムみたいなものだなって感じてて、そしてそれはメイクした瞬間に過ぎ去っていくもので、それを残せるのが唯一カメラだと思います。過去になっていった(死んでいった)詩をまとめてパッケージするビデオこそ、詩集、そしてそれを見るときにDEAD POETS SOCIETYってなるなって結び付きました。

—DVDに同梱されるZINEについて、フォトグラファーのMinoru Shutoくんとの関係性について少し紹介してください。


ミノルは自分のひとつ歳下のフォトグラファーで、初めて会う前から写真やってZINEも出してて、良い写真撮るなーって思って気になってたんです。そんなときに横浜のスケーターと撮影した後に展示に連れてかれたらミノルの写真展で、そこで話して今こんなもの作りたいんだけど一緒にやらない?って誘ったのが初めです。

—なぜ今オンライン公開ではなく、DVDを発売するのですか?


やはり、詩集であり作品なので、フィジカルとして形にすることが大事だなって思います。オンラインにあげることが良いことがだと思ってなくて、やっぱり真剣さ、本気度を知って欲しかったです。別に、良い作品はオンラインでも埋もれないとは思います、でもそうではなく、しっかり形にして、試写会して、色んなスケートショップに置いてもらって、そこまでして作品に意味をのせれるのかなと思ってDVDを選びました。

—最後に、読者に向けてメッセージを。


皆さんに自信を持って届けられる作品ができました。数人でお金を出し合って一個でもいいので、是非観て、僕らの残した詩を感じて欲しいです。

上映会もまだ数件開催しますので、お近くの場合はお待ちしてます!

Leon Kaetsu/ hardflip, Tokyo
Leon Kaetsu/ hardflip, Tokyo

So be sure to check your local skate shop!
ということで、お近くのスケートショップをチェックしてみてください!

An online skateboard zine by Nobuo Iseki.
Go to shop: nobuoiseki.thebase.in

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